化粧土による表現

一般的陶器

一般的に多くの陶磁器は釉薬が全体にかかっていることでしょう。

その中で様々な色、または模様で表現をする。または下絵付け、上絵付のような表現。イッチンや、スリップウェアというのもある。

それらはすべて釉薬ありきの表現である。

釉薬をかけると、やはり表面すべすべになってしまう(そうでない物もあるが)。

もちろんそれには、理由がある。水漏れを防ぐため、衛生面のため、強度を上げるためなど、備前などの特殊な土以外は基本的に釉薬はかけるものだろう。

それは少しつまらないなあと思い、化粧土による表現を色々と模索している。

ザラザラ化粧土

上記の写真のものはほぼ無釉のものである。ほぼというものは、本当にうっすらとはかかっている。透明釉を普通にかけて洗い流してわずかに残ったぐらいの薄さである。

見てわかるだろうか、表面はかなりザラザラしている。こ化粧度はほぼ木節粘土である。それに長石を少しだけ混ぜた。青いほうはコバルトを2%ほど混ぜてある。

木節粘土ならなんでもいいというわけではない、これはかなり不純物の多いものを使用した。不純物――小さな珪石がそのまま残ったり、有機物が燃えてその空洞がこのぶつぶつ感を出しているものと考えられる。

見た目も釉薬をかけたものとは明らかに違うし、触った質感も違う。このザラザラは好みもあるだろうが、個人的には非常に好きである。

ただやはり、セオリーから外れたことなので、デメリットも多数。

水漏れ――とはいえ、内側には普通に釉薬を掛けてある。さすがにこの表現を使えるのは外側だけだ。なので水漏れはほぼないといっていいだろう。

衛生面――これも内側は他の陶磁器と変わらないが、外側はザラザラしているので洗いづらい。スポンジが引っかかることだろう。しかしぶっちゃけた話、自分は油がべたべた、とかでない限りそこまで外側は念を入れて洗わない。せいぜい口元付近、汚れが残っている部分だけだ。

強度――これも全面釉薬のものよりは弱い、ぐらいだろう。外側に釉薬を掛けてないからとりわけ壊れやすいということはないはずだ。しかし、固いものにぶつけたときなど、フォークやナイフに当たった時、ザラザラお一部がはがれる可能性がある。個人で使う分ならまだいいが、人に提供するときに使うのは異物混入につながり好まれないだろう。それを防ぐためにうっすらと釉薬を掛けているのだが、絶対とは言えない。

表現は自由・・・だが

どのような表現もするのは自由だ、それこそオブジェとかなら何をしてもいい。壺や一輪挿しなども水さえ漏れなければなんでもいい。

しかし食器はそうもいかない。使うこともかんがえなければいけない。あくまで芸術性を求めたものも展覧会などに行けば多数存在するが、そういった一点物は除き、ある程度数があり、人に使ってもらうことを考えれば自由度は狭まっていく。

長年、それこれ千年以上かけて出来上がった現在の陶磁器の形には必ず理由がある。形であれ、今回のような無釉の表現であれ、一般から逸脱したものにはデメリットが必ず存在する。

かといってセオリーに従っていても新しい面白いものはできない。

芸術性と、利便性、その線引きをどこにするか、難しいが大切なことである。

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